DVで離婚に至りやすいケース

DVの影響

離婚事由は夫婦によってまちまちですが、中でも深刻度が高いのが配偶者からのドメスティック・バイオレンス(DV)が原因であるパターンです。

警視庁のデータによるとDVの相談件数は増加傾向にあり、平成25年は2,821件だったのが、平成29年には約3倍にあたる8,421件と大幅増加しています。

配偶者からの暴力事案の概況|警視庁

http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/about_mpd/jokyo_tokei/kakushu/dv.html

それにともない、DVを原因とする離婚も目立ってきています。全家庭裁判所が取り扱った婚姻関係事件数のデータによると、離婚申し立ての動機のうち、配偶者の暴力を理由に挙げた件数は夫からの申し立ての場合は約8%、妻からの申し立ての場合は約22%にも及んでいます。

婚姻関係事件数 申立の動機別申立人別|全家庭裁判所
http://www.courts.go.jp/app/files/toukei/261/007261.pdf

本来であれば愛し合っているはずの配偶者から精神的・肉体的暴力を受けることは心身に大きなダメージを与え、たとえ離婚したとしてもその傷が癒えるまでには多大な時間を要します。

離婚は簡単な問題ではありませんが、もし夫婦間でDVの兆候が見られたのなら、我慢せずに新たな第一歩を踏み出す勇気も必要です。

DVで離婚に至りやすい4つのケース

DV=殴る蹴るの暴行を受けるというイメージが強いため、DV被害者の中には「暴力をふるわれていないからDVではない」と勘違いしている人が少なくありません。

しかし、実際には身体的暴力以外にもさまざまな種類のDVがあります。以下ではDVの種類をもとに、離婚に至りやすいケースを4つ紹介します。

ケース1.身体的DVを受けている

・・ケース1.身体的DVを受けている

殴る、蹴るといった直接的な暴力を受けているケースはもちろんですが、それ以外にも

・つばを吐きかける
・食事をとらせない
・追い出す
・監禁する

といった行為も身体的DVに該当します。

殴るふりをするというのも身体的DVのひとつ。実際にケガをしていないと身体的DVとは認められないのではないかと思われがちですが、こうした脅迫行為もDVにあたります。

ケース2.経済的DVを受けている

経済的DVとは、生活に必要なお金を渡さないなど、配偶者に対して経済的な自由を奪うことで追い詰めていく行為のことです。

単純に家庭に生活費を入れないといった行為だけでなく、

・生活費を渡すかわりに土下座や性行為を強要する
・無理に働かせる

といった行為も経済的DVに該当します。

他にも、

・家計のやり方が下手だと暴言を吐く
・細かい支出をチェックしたり、ローンの連帯保証人にさせる

といったケースも経済的DVとみなされます。

ケース3.精神的DVを受けている

いわゆるモラルハラスメント(モラハラ)と呼ばれるパターンです。

相手のすることなすことをすべて批判したり、「馬鹿」などと侮辱したり、大声で怒鳴ったりするなどの行為は精神的DVに該当します。

他にも、

・友達や両親との交際に嫌な顔をする
・外出するのを認めない
・無視を続ける

といった行為も相手の精神に大きな負担をかけることから、離婚事由になり得ます。

あざや傷などの証拠が残りやすい身体的DVに比べると立証が難しいことから、最近は身体的DVよりもモラハラに苦しむ人が増えてきています。

ケース4.性的DVを受けている

たとえ夫婦間であっても、望まない性行為や妊娠は性的DVに該当します。

無理に性行為に及んだりするのはもちろん、

・避妊を拒否する
・性病を移す
・ポルノを見せて同じ行為を強要する

といった行為も性的DVの範疇です。他にも、

・性行為が下手だと罵倒する
・浮気を認めさせる

などというケースも該当します。性的DVはデリケートな問題であることから誰にも打ち明けられずに悩んでいる人が多く、表面化しにくい傾向にあります。

DVかも?と思ったら一歩を踏み出す勇気を

DV=身体的暴力と認識している人は非常に多く、それ以外の経済的・精神的・性的暴力は見逃されてしまいがちです。

加えてDVには安定期(ハネムーン期)と呼ばれる時期があり、一転して加害者が優しくなったり、反省の色を見せたりするため、つい態度を軟化させてしまいがちです。

しかし、安定期は次のDVに至るまでの小康状態に過ぎません。同じサイクルを繰り返していると被害者の意識も麻痺してしまい、「こんなに虐げられるのは自分が至らないせいだ」と自責の念にかられる人も。

もし現在の結婚生活に違和感やつらさを感じるのなら、今回紹介したケースと照らし合わせてみましょう。


これらのケースはすべてDVと認識される行為であり、離婚事由になり得る事案です。

追い詰められて心身ともにボロボロになってしまう前に、DVかもしれないと疑う気持ちと、そこから一歩踏み出す勇気を持ちましょう。

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